「JAPAN UNDERGROUNDⅢ」は、日本全国の地下施設を13年にわたって撮影し続けてきたシリーズの完結編、また「東京デーモン」は、東京の夜の姿を8年間撮影したもので、2作品ともそれぞれ日本の地下と地表の「闇」を写しきったスケールの大きな作品です。
戦後、物質的な欲望のもので経済を肥大化させ、その活動の場としての都市を増殖させてきた日本。それは地上に留まらず、地下へそして夜の闇へと潜伏拡大しています。
汐留の地下、高エネルギー加速器研究機構、生野銀山、地下野菜工場など、想像を超えた変容を続ける日本の地下空間、また、地上の闇に浮かぶ夜の東京。それらを丹念に取材し構成した写真は、壮大な生命体としての現代社会を凝縮した見事な記録であるとともに、鋭い文明批評となっていると高く評価され、第25回土門拳賞(毎日新聞者主催)受賞されました。
特別企画として、内山英明さんのギャラリートークを開催します。「二つの作品は、現代文明の闇をテーマとしたもので、人工の強烈な明かりさえ包みこむ闇の底から、逆に時代の狂気をもあぶり出そうとした。」そう語る内山氏。地方ではなかなか聞けない作者の話が聞ける貴重なチャンスです。この機会に皆さまどうぞお越しください。