文化や美術が爛熟期を迎えた江戸中期の京都、斬新な画風や着想で画壇に革命を起し、今日でも揺るぎない人気を誇る師弟画家が出現します。
人物や自然、動物をありのままに写して生命感や気を吹き込む「写生画」を確立した天才・円山応挙(1733~95)。その作風は「円山四条派」として日本絵画を代表する潮流となり今日の日本画へもつながって来ます。
一方、その高弟ながら師と異なる奇抜な着想と大胆な構図、表現で個性あふれる作品を生み、近年では「奇想な画家」として脚光を浴びる奇才・長沢芦雪(1754~99)。実直な師・応挙とは対象的な波乱万丈の生き方にも注目が集まっています。
本展では、重要文化財12点を含む師弟の代表作80余点を前・後期に分けて紹介します。人物・花鳥動物・山水の各ジャンルにわたって、まさしく二人の迫力ある知恵比べ、腕比べの競演が楽しめます。
画風も生きざまも対照的な個性を放ちながら互いの才能に惹かれ続けた二人。師弟を越える人間関係に思いを巡らせながら、日本絵画の面白さ、美しさを再発見してください。