かつてポーランドは、王国時代にはヨーロッパの大国として栄えましたが、18世紀末、周辺諸国によって国土は三分され、実に120年以上にわたって他国に統治されました。第一次世界大戦の終結でようやく独立を回復しますが、まもなくドイツ軍の侵攻を受け、第二次世界大戦が勃発、国は焦土と化しました。さらに戦後は社会主義国家として、半世紀近くのあいだ、隣国ソビエト連邦の強い影響を受け続けます。しかし、1989年以来、「ポーランド共和国」は民主化の道を歩んできました。
この展覧会では、ポーランド国立ウッチ美術館が収蔵する写真とビデオ作品、およそ200点によって、写真の黎明期から今日までのポーランドにおける写真表現の諸相をご紹介します。ポーランド写真100年の全体像を紹介するのは、日本で初めての試みとなります。激動の歴史に刻まれてきた彼らの表現を、ぜひご覧下さい。