当館内にある平山郁夫先生の作品展示室は、「平和の祈り」と命名されました。
平山郁夫先生は1930(昭和5)年広島県尾道市(旧・瀬戸田町)に生まれました。1945(昭和20)年の夏、15歳のときに広島市内で学徒動員の作業中に被爆し、その後絶えず後遺症に悩み、苦しみつづけてこられました。その経験から、唐代の僧・玄奘三蔵が仏教伝来の道を歩んだように、長大な東西文化交流の道を描きつづけ、その作品に平和への祈りを込めています。
戦乱のないときにだけ人々が行き交い、物や文化が運ばれたシルクロード。平山先生が描いた作品から、戦後61年目の夏に、平和について考えるきっかけになればと願っています。