明治三〇年(一八九七)五月に開館した京都国立博物館は、本年、開館一一〇年という節目の年を迎えます。本展ではこれを記念して、博物館がつくられるまでのこの地の歴史、博物館誕生から現在に至るまでの歩みを、名品を通して辿ります。
展示の中心となるのは、千年の都、京都の文化財保護の最前線として出発した当館が、長年にわたり収集・保管、かつご寄託いただいている美術品・文化財の数々です。俵屋宗達筆「風神雷神図屏風」(国宝 建仁寺蔵)や「源頼朝像」(国宝 神護寺蔵)といった、誰しも一度は教科書などで目にしたことのある名品のほか、調査研究により新たに光があてられた作品も含め、美意識をよび覚ます品々を心ゆくまで堪能することのできる、またとない機会となるでしょう。
過去から未来への「かけはし」でありたいと願い続ける京都国立博物館の歩みを通じ、皆さまの心の中に奥深い美の世界への「かけはし」をつなげることができましたら幸いです。