日本の博物学は、中国の本草書に記された動植物名を日本のものと照合することから出発しました。博物学としての体系が整えられたのは十八世紀以降で、享保年間(1716~35)頃から幕府が実施した全国産物調査を契機に、物産学が盛んになり、田村藍水、平賀源内、小野蘭山らの学者が活躍しました。さらに飯沼慾斎、岩崎灌園、宇田川榕菴、伊藤圭介などは西洋の博物学の影響をうけ、幕末から明治期にかけて優れた科学的研究を展開しました。
こうした江戸の博物学の流れをたどりつつ、博物学者らによって描かれた動物、植物、魚類、菌類など、さまざまなジャンルにわたる楽しい博物図をご覧ください。