山村浩二は、世界的に活躍するアニメーション作家の一人です。近年の代表作《頭山》(2002年)は、2004年の「広島国際アニメーション・フェスティバル」でグランプリを受賞しました。また、世界では最大規模のフランスのアニメーションのフェスティバル「アヌシー2003」で日本人として初めてグランプリを受賞。さらに「第75回アカデミー賞短編アニメーション部門」にノミネートされ、全米でも公開されるなど、世界各国の映画祭で名誉ある賞を受賞しています。
山村浩二のアニメーションの魅力は、何と言っても色鉛筆や、クレヨン、インクなどで一枚一枚手書きで描かれた原画にあるといえるでしょう。繊細な線と微妙な色調。丹念に描かれた膨大な原画によって創り出される生き生きとした動き。ユーモラスなキャラクターたちが次々に登場する物語や不思議な世界には、子どもから大人まで、誰もが引き込まれていくことでしょう。
この展覧会では、こうした山村浩二のアニメーションの魅力を原画やスケッチによって紹介し、そのイメージの源泉を探ります。またこれまで制作してきた絵本、ポスターや挿絵の原画などを展示するほか、主要なアニメーション作品の上映を行います。