関東地区博物館協会は昭和38年9月の設置以来、関東地区の博物館事業の振興をはかるよう一致して活動してきたところです。そうしたなかで今回の企画展示は、「祈りの風景」を共通のテーマに、全加盟館が協力して県域を越えた地域連携事業を推進し、博物館利用者の関東全域にわたる風土と文化への理解の醸成と、学習活動を支援することを目的として実施する最初の試みとなります。
そこで、当館では、所蔵の国指定重要有形民俗文化財「上州の小正月ツクリモノ」737点のコレクションのなかから、地域的特色をよく示した代表的な資料の公開と併せて周辺地域の小正月行事について紹介することとしました。
今回の展示公開から、人びとの素朴で多様な祈りの情景をとおして、郷土への理解を一層深めていただく場面とするものです。どうぞ、各館の展示とともにお楽しみください。
○展示構成と主な展示資料(国指定重要有形民俗文化財)
1.神体・偶像類-神に託す-
道祖神・便所神・その他神体類
2.祈願品類-願いさまざま-
道具雛形・福俵・粟穂稗穂・雉子車・繭玉
3.削り掛け類-花・はな・ハナ-
段花・車花・縮れ花・伸し花
4.呪具類-まじないうらなう-
粥掻き棒・孕み橋・木刀類・鬼の歯
5.削り掛け製作用具-祈り作る-
ハナカキナタ・キリダシ(小刀)・セン(銑)