今年も夏に合わせて朝鮮時代のうちわを展示します。朝鮮時代には男性が扇子(摺扇)を、女性がうちわ(団扇)を主に用いました。女性が用いるうちわは色彩も美しく、絵画にも女性の小道具として登場します。
形や文様によってさまざまな名前がつけられていることも特徴です。全体の形をバショウの葉に見立てた「芭蕉葉扇」、うちわの骨の先を曲げ、キリの葉の葉脈に見立てた「桐葉尾扇」、うちわの骨を細くしてぎっしりと並べ、全体を鳥の尾に見立てた「鷲尾扇」、民族の伝統に根ざした文様を持つ「太極扇」「国旗扇」を展示します。
暑さをしのぐ道具にも、さりげなく意匠をこらした朝鮮のうちわをご堪能ください。