この展覧会は江戸時代以前の伝統的な絵画から明治・大正期の「日本画」へと受けつがれていった美意識や主題・技法のうち、現代の「日本画」が捨てさっていったもの、見失ったものに新たな価値や創作の手がかりを見出し、製作に取り組んでいるアーティストを紹介します。出品作家は、小瀬村真美・しりあがり寿・中上清・中村ケンゴ・藤井雷・松井冬子の6名で、20歳から50歳代の世代に属します。なかには、横浜美術館の「子どものアトリエ」で初めて「日本画」の技法にふれ、この展覧会でデビューする新進作家、藤井雷も含まれます。今回は、それぞれの作家が、横浜美術館が所蔵する近代「日本画」のなかから数点の作品を選び、それらと自作を関連づけた展示を試みます。「日本画」をしょく発する6つの個性がきり開く新たなアートの世界をご覧いただきます。