武者小路実篤の書画は、南瓜をはじめとする身近な野菜や花などを描いた独特の画風とともに、そこに書かれた画讃で知られています。
「仲よき事は美しき哉」「この道より我を生かす道なし この道を歩く」などに代表される実篤の画讃は、広く人々に浸透し、人生の指針や座右の銘として挙げる人も少なくありません。
また、初めて実篤の書画に接した小中学生や若者からも、「自分にぴったりの言葉」「元気をもらった」「こころがおちつく」といった、画讃への共感や感銘の声が聞かれ、没後30年を経てなお、実篤の言葉が人々の心に響く力を持ち続けていることが分かります。
社会が複雑化し、価値観が多様化するとともに曖昧になった現代、改めて実篤の画讃をクローズアップし、当たり前のことを当たり前の言葉で書いたその言葉を、生き方を考えるヒントとして見直します。