今からおよそ150年前の江戸時代末期、日本は大きな変換期を迎えました。開国により、さまざまな西洋文化が日本へもたらされ、そのうちの一つが油絵具を用いた絵画、洋画でした。多くの人々がこれまでなかった洋画の表現方法を習得しようと試み、京都で浅井忠に学んだものの中から、日本の美術界の一時代を担った二人の画家、梅原龍三郎と安井曽太郎が誕生したのです。
日本を代表する美術館の一つである京都国立近代美術館は1963(昭和38)年に開館し、750点を超える洋画ならびに水彩画コレクションには京都を舞台に活躍した画家たちの作品が多く含まれています。 本展では、普段はまとまって公開されることのない51作家約70点の名画により、明治以来、現代にいたる日本洋画の多様な表現をご紹介します。