就学期(5歳から13歳まで)を銚子で過ごした浜口陽三(1909年-2000年)はメゾチントによる静謐で詩的は作品によってサンパウロ・ビエンナーレ等において大賞を受賞。また、市原市在住の深沢幸雄(1924年-)は独学による多彩な銅版画技法を伝えた功績により、メキシコ政府より文化勲章を授与されました。当館ではこれまでに、千葉県にゆかりのあるこれら2人の版画家の展覧会を開催してきましたが、本展では彼らの代表的な作品をご紹介いたします。この他、県内出身の山下清澄(1941年-)、重野克明(1975年-)、県内在住の落田洋子(1947年-)、長島充(1959年-)らを加え、佐倉・房総ゆかりの版画家の作品を中心にして展示、それぞれの表現について比較し、その魅力を考えてみようというものです。
そして更に、浜口、深沢と並び、世界的な評価を受けた福井良之助(1923年-1986年)、池田満寿夫(1934年-1997年)といった版画家たちの初期作品を加え、ご紹介いたします。特に福井良之介は今回発見された最初期の素描、版画下絵、試刷り等を展示いたします。