『念力キャンバス』展では、観る人や創る人の中にある「今の心のチカラ=念力」が“作品”というものを通して行き来しているのではないかと考えました。
激しくあふれる想いを静かに表しているのか、静かな想いを情熱的に表しているのか、“カタチ”に込めた想いは作者だけが知っています。
同じように、観る人が作品から感じることには、自分だけが知るただ一つの“気持ちのカタチ”があるのではないでしょうか?
「作品を観る」ということは、音のない会話をすることです。作者の「今の心のチカラ」に耳をすまし、自分の中にある「今の心のチカラ」を確かめる。-そして明日にはあなたが「作品」を通して、みんなに「今の心のチカラ」を問いかけるのかもしれません。
この展覧会では、高知県立美術館の収蔵品を中心に、さまざまな発想や方法を持つ現代美術作品を取り上げ、関連映像や図書資料も紹介します。
[市民とつくる展覧会]とは?
この展覧会は学芸員や専門家だけでなく、広く公募したボランティア・スタッフが企画立案から、作品選定、印刷物のコピーライティング、デザインそして展示プランまでを手がけています。また、会期中にはワークショップなど様々な活動をしています。
「展覧会を開催する」だけでなく、参加者が活動の中で多様な価値観や考え方、文化施設や文化政策の意義を考えるきっかけとなることもめざした事業です。
[念力キャンバス]の[念力]とは?
作者のもつ発想やエネルギーを形にしたものが「作品」であると考え、鑑賞者が作品から感じ取る印象、これらを[念力]という言葉を分解した[今の心の力]というキーワードでとらえました。