2世紀後半から3世紀前半ころにギリシャの詩人ロンゴスによって書かれたエーゲ海のレスボス島を舞台とする牧歌的な恋愛小説『ダフニスとクロエ』の世界を紹介します。
山羊飼いの少年ダフニスと羊飼いの少女クロエに芽生えた淡い恋がレスボス島の四季の移り変わりの中で成熟した愛へと展開するこの物語は古来様々な芸術家に影響を与えてきました。文学の上では日本でも三島由紀夫の『潮騒』にこの小説の反映がみられることがよく知られています。
今回はM.シャガール(1887-1985)がこの小説の押絵として制作した連作版画全42点の展示を中心に、バレエや音楽、舞台となったギリシャの資料もあわせて展覧します。