明治から現代まで、日本画家たちは、どのように人を表してきたのでしょうか?美しい女性や歴史的な人物、自然のなかで暮らす人、母と子、家族たち。この一世紀あまりの時期には、伝統的なもののよさと新しさとが織りなされ、多彩な表現が生み出されてきました。そこには、理想の美しさを求め、心の深みを探り、人間のあり方を問い直そうとする画家たちの挑戦を見ることができるでしょう。
本展では、明治初期から、21世紀に入った現代までの人間表現を大きく見わたすとともに、「人々の日常を描く」「女性による表現」「心の奥に分け入って」「婚礼のよろこび」等の視点や解説をもうけて、日本画の魅力を多方面から楽しめる展示にしたいと考えています。
出品作は、20年におよぶ当館の収集活動でつくられた日本画コレクションの成果をまとめて紹介する他、各地の美術館、所蔵者の方からお借りした名品を加えて構成します。