洋画家、大野五郎(おおのごろう)の80年にわたる画業を紹介します。
大野五郎は明治43(1910)年、現在の東京都北区に生まれ、旧制中学を卒業後。川端画学校に学びます。その後1930年協会美術研究所に入所して里美勝蔵らに師事、フォーヴィズムの洗礼を受けました。1928年、18歳の時に1930年協会展に入選。翌々年には1930年協会賞を受賞、また二科展にも出品します。
1930年協会が解消発展して発足した独立展には第一回から出品し、O氏賞を受賞。第二次大戦時中に靉光、麻生三郎、糸園和三郎、井上長三郎、鶴岡政男、寺田政明、松本俊介と新人画会を結成。戦後は独立展の準会員となりましたが、1947年に脱退し、新人画会のメンバーと自由美術協会に参加。1964年には寺田政明、森芳雄、吉井忠らとともに主体美術協会を創設。以来、2005年の主体展まで出品を続けており、寺田、森、吉井が世を去るなか、最長老として同会の象徴的存在となりました。なお、1979年に住居兼アトリエを八王子に移しています。
18歳で世に出て、天才と称されたその画業を、デビュー時の自画像から最近作にいたる油彩画約70点を5部構成で展覧します。