マイセン磁器
マイセンはドイツ東部ザクセン州の州都ドレスデンにほど近い千年の歴史を持つ美しい町の名前です。そして、その名が世界中の人に親しまれているのは、その地で製作される磁器のためです。マイセン磁器は18世紀初め、西洋で最初の磁器として生まれ、以来、世界中から愛され、憧れられて、今日でも絶大な人気を誇りながら製作が続けられています。
伊東コレクション
この展示は、マイセン磁器に魅せられた故・伊東直子氏がその後半生を賭けて収集したコレクションを、ご遺族のご厚意によって公開するものです。伊東コレクションは、公開も視野に入れた収集だったため、初期から20世紀初頭までの価値あるアンティーク・マイセンが食器や小彫像からシャンデリアや家具にいたるまで、多岐にわたって集められています。
歴史を作ったあのベットガー炻器(せっき)や、18世紀の王侯貴族がいかに東洋磁器に憧れたかを偲ぶことのできるシノワズリーの食器、「猿のオーケストラ」や「山羊にのる仕立屋」など、マイセン愛好家垂涎(すいぜん)の彫像も含むケンドラーをはじめとする歴代彫像師の華麗な陶彫など、その見所は枚挙に暇(いとま)がありません。そして、その展観はマイセン磁器の華麗な200年の歴史を目の当たりにすることとなるでしょう。