奥羽山脈と北上高地が南北にはしり、この二つの山系の間を北上川が流れる岩手。画家たちは、豊かな自然に囲まれたこの地を、それぞれの表現方法でキャンバスに残してきました。
この展覧会では、澤口健、佐藤勝馬、藤沼源三、橋本正、海野経ら5名の岩手出身の画家が描いた岩手の風景を紹介します。ふるさとの美しい姿を今一度みつめなおす機会となれば幸いです。この展覧会は、本展を「part1」とし、来年度以降も開催する予定です。
本展で紹介する画家の1人澤口健は、地元岩手町出身の画家です。1937年岩手町沼宮内に生まれた澤口は、岩手町で誕生した美術集団エコール・ド・エヌの会員となり、岩手山を多く描いたことで知られます。作品の多くは個人所蔵家のもとにわたり、作品が一堂に会することは長らくありませんでした。今回は、町内外の個人所蔵家の方々、公共機関から作品をお借りし、油彩のほか、水彩画、澤口がデザインした切手や絵葉書、橋の欄干デザイン(岩手町・岩崎橋)などの仕事も紹介します。