中国、朝鮮、日本は昔から近隣国として密接な影響関係にあり、それぞれの文化を育んできました気候風土や思想は人の生活様式に変化をもたらしますが、空間に対する認識は土地によってさまざまです。とくに性理学(儒教)を国の基本理念とした朝鮮王朝(A.D.1392~1910)では、身分を問わず一貫した特徴がみられます。それは生活空間である家屋構造に著しく、儒教が人にどのように受け入れられ、理解されていたのかがうかがえます。
舎廊房とは儒教を重んじた家主、男性の空間です。舎廊房の主人は学問に浸るかたわら、時には客人と心を通わせ、囲碁や楽器に触れながら鬱蒼とした世界とは別の場所で過ごしました。
今回の春季展では朝鮮時代の男性の部屋「舎廊房」に注目し、その空間を作り上げた陶磁器や絵画、木工品から、時代の一面を探ります。