わらべ歌や昔話にも登場する羅漢(阿羅漢)は、日本でも親しまれている仏教の聖人です。阿羅漢とは、もともと深い思索の果てに、釈迦の説いた智慧を正しく理解した「尊敬されるべき人」という意味でしたが、2000年を超える長い年月を経て、多くの解釈がなされ、多様な信仰が生まれました。本展示では、どのような変遷を経て、なじみ深い「らかんさん」に至ったのかを、特に有名な阿羅漢である十大弟子や十六羅漢の絵画、彫刻と多くの仏典によって紹介します。
なお、宮内庁と称名寺(県立金沢文庫保管)がそれぞれ所蔵している、禅月様という変わった姿の十六羅漢像が一堂に揃いますので、お楽しみに。