西洋、東洋を問わず、ひろく両洋をみる。これが「両洋の眼展」の根底にあるテーマです。1990年に美術評論家の故・河北倫明氏によって提唱され、その翌年から日本画・洋画をひとつの眼差しでみる展覧会という具体的なかたちとなって両洋の眼展は始まりました。通算17回目を迎える本展は、当センターにとって2年ぶり、6回目の開催となります。
今回の「河北倫明賞」には、吉原英雄氏、広田稔氏、牧進氏の3氏が選出されました。また70余名のうち、10名が本展初参加となっており、例年とはまたひと味違った表現の彩りを感じ取っていただけることと存じます。
私たちは作品と対するとき、とかく素材や技法にとらわれがちですが、肩の力を抜いて作家と同じ自由な視点で作品と向かい合うことで、心に残る何かを見つけることができます。本展が、こうした楽しみ方の一助となれば幸いです。