慈覚大師 円仁は、栃木県都賀郡の出身で、天台宗の第三代座主として天台密教を大成した郷土が誇る偉人です。円仁は15歳で比叡山に登って懸命に修学し、後には遣唐僧に選ばれて入唐求法の旅に赴きました。その約10年にも及ぶ苦難に満ちた旅の詳細は、円仁自身が記した『入唐求法巡礼行記』として今に伝わっています。当館では2007年4月に、開館25周年を記念して円仁を取り上げた特別展覧会を行ないますが、それに先立ち、プレ企画として写真展を開催いたします。この写真展では、現地調査に基づいて、『入唐求法巡礼行記』に記された円仁の中国巡礼の足跡を紹介いたします。