19世紀彫刻界に大きな足跡を印した天才彫刻家オーギュスト・ロダン。早熟な才能と輝くような美貌をもった カミーユ・クローデル(1864~1943)は、ロダンの愛弟子として、また、愛人として知られる女性彫刻家です。彼女はロダンの下で才能を開花させながら、独自の彫刻の世界を追い求めて苦闘し、ロダンとの関係にも疲れ果て精神を病んでいきました。この劇的な人生は、1988年にイザベル・アジャーニの主演で映画化され、大きな話題を呼びました。
本展では、「オーギュスト・ロダンの胸像」、「幼い女城主」などの肖像彫刻から、「ワルツ」、「分別盛り」など、自身の姿を映し出したような動感あふれる悲劇的な女性像、「おしゃべりな女たち」、「炉端の夢」など室内でくつろぐ女性の姿を細やかな感性で表現した独自の様式の作品にいたるまで、62点の作品や資料によってカミーユ・クローデルの芸術を回顧します。