この展覧会は、20世紀を生きた彫刻家イサム・ノグチ(1904-1988)の作品と言葉をたどりながら、「芸術は人と社会に何をなし得るか」という問いに対する、イサムの解答を読み取ろうとするものです。
この展覧会では、ノグチのこうした彫刻観を「世界とつながる彫刻」と名付け、それがどのように実現されたかを、様々な技法・素材による作品(金属彫刻、陶彫、石彫等)と資料(模型、写真等)を「顔」、「神話・民俗」、「コミュニティーのために」、「太陽」の4つのキーワードによって分類し、解き明かそうとするものです。また、20世紀を代表する舞踏家マーサ・グラハムのダンス《暗い牧場》(1946年)のためのオリジナル舞台セットを初演当時の映像とともに日本で初めて公開します。
横浜美術館では、イサム・ノグチの彫刻作品6点を所蔵し、近代彫刻コレクションの重要な柱としています。市民の皆様には、今回の展覧会を通して、普段見なれた作品たちがイサムの他の作品とどのようにつながり、どのような位置をしめるのかをつぶさに見ていただくことができます。また、茅ヶ崎と横浜で少年期を過ごした地元ゆかりの世界的彫刻家イサム・ノグチの人と芸術に親しく接していただく格好の機会となります。
この展覧会は、横浜美術館、滋賀県立近代美術館、高松市美術館の3館が共同して企画し、実施するものです。