古くは奈良時代にまでさかのぼるといわれる日本の屏風絵は、室内空間を彩る装飾用や鑑賞用として独自に発達し、日本人の生活や文化に深くかかわってきました。そして、現在のような連続した大画面を持った日本式屏風は、室町時代に盛んとなり、桃山時代にわが国特有の絵画様式として完成をみます。近代以降、日本人の生活空間が大きく変化すると、屏風絵は生活から次第に離れ、展覧会芸術に吸収され、日本画における大画面形式として、画家たちの強い意気込みのもとで制作されるようになりました。
本展では、わが国有数の日本画コレクションを誇る山種美術館の所蔵品の中から、近現代の屏風絵に焦点をあて、屏風絵のなかに未来を模索し続けた近現代を代表する作家たちによる名品約三十点を展示し、時代を超えて受け継がれる日本の美意識と、その表現の多様さを紹介します。(前・後期で約十点ずつ入替をします)
前期 9月23日(金・祝)~10月10日(月・祝)
後期 10月12日(水)~10月23日(日)