堺は古くから河内(丹南)鋳物師などを源流の一つとして金属産業が繁栄し、現在も庖丁、刃物製作や自転車部品製造などの産業がさかんな土地です。
刀剣史のうえでは、中世に堺を含む和泉で盛んに製作されたいわゆる泉州刀は作品的にも優れたものが多く、近年評価が高まっています。このような泉州における刀剣製作の技術的蓄積は、戦国時代に日本最大の生産地として繁栄した堺の鉄砲製作の地盤ともなったと考えられます。
本展では、堺における鉄砲製造の基礎を準備し、刀剣史の中でも確固たる地位を持つ泉州刀と商品として自由都市堺の富の相当部分を支え、堺の黄金時代を現出させるとともに有力大名による国内統一のための大きな原動力となった堺鉄砲を紹介します。