漂泊の詩画人とも呼ばれ、その生涯に幾度となく居を移した竹久夢二。
大正13年、東京府下松沢村松原(現 世田谷区)に建てたアトリエ付住宅「少年山荘」は、夢二自らが設計を手がけた初の持ち家で、中国の詩人・唐庚の詩「醉眠」から命名されました。
制作活動の拠点、若い芸術家達が集う交流の場として、晩年の夢二に和やかな時間を供したこの家は、建築から10年後の昭和9年9月に夢二が亡くなると、その後荒廃し、取り壊されたと言います。
現在、夢二生家近くの公園内にある少年山荘は、昭和54年に夢二生誕95年を記念して復元された建物です。
今展では、少年山荘時代に制作された作品や資料のほか、夢二と親交のあった有島生馬氏が揮毫した扁額等をはじめ、山荘復元にあたり夢二の次男・不二彦氏が当時の様子を描いたスケッチ7点も特別展示いたします。
最大の夢二作品とも言える「少年山荘」での夢二の暮らしぶりをぜひご覧ください。