東京都写真美術館では<開館10周年特別企画展>として大規模な展覧会の数々を開催しております。本展は現代表現の注目すべきメディアとして「身体」に着目し、昨今話題を集めているコンテンポラリーダンスを国内美術館で展覧会として初めて取りあげるものです。
コンテンポラリーダンスは1980年代後半に萌芽して1990年代以降から現在に至るまで発展し、演劇、美術、サブカルチャー等のジャンルを超えて表現領域を広げ続けています。各表現者の個性的な身体で百花繚乱のごとく表現された作品は、日常の何気ない生活や笑などのリラックスしたものから、日々降り積もるストレス、避けることのできない生と死や愛の問題まで幅広い要素で構築されており、まさに身体のドキュメンタリーと呼んでも過言ではないでしょう。
この企画は、展示室を中心とした美術館内のさまざまな空間で、身体の在り方を再認識するような表現が繰り広げられます。これらの多様な作品を結びつけるのは、私たちの身体です。身体そのものが共鳴したり、ズレを感じたりして起こる「どきどき感」は余韻として体内にとどまり、時に日常生活を楽しく力づけ、真摯に五臓六腑へと沁みわたるのです。そしてつかみどころのない現実をたくましく生き抜くための、ポジティヴな活力となるでしょう。
この展覧会は、現在日本を代表する3つの日本のコンテンポラリーダンスのカンパ ニーによるインスタレーション展示です。前述のようにコンテンポラリーダンスを テーマにした美術館での展覧会は初の試みで、出品作品はすべてこの展覧会のために 各カンパニーが企画・制作した新作です。美術館の展示室という空間を、どのような 「身体」の表現空間に作り上げるのか。どうぞご期待下さい。(作品数:インスタ レーション作品3点)