■浅井忠の図案と杉林古香
佐倉ゆかりの洋画家浅井忠(1856-1907)は、日本近代洋画の先駆者として知られていますが、晩年の図案家としての活動が近年、注目を集めています。当館でも、平成13年に「浅井忠の図案展」を開催し、浅井忠の図案家としての側面を紹介しました。
蒔絵師の杉林古香(1881-1913)は、浅井忠の図案の多くを漆器作品に仕上げ、浅井の図案を語る上で欠かせない存在です。また、杉林の交友関係は、明治末の京都における図案と工芸の状況を伝えてくれます。
平成17年に、当館では浅井忠と杉林古香の図案活動に関係する作品と資料を多数収集しました。それらの資料は、単に浅井の晩年の活動を知るだけでなく、西洋流のデザイン観を日本がどのように受け入れてきたのかなど、日本デザインの黎明期を知る上で大変貴重なものです。
■櫻井慶治の作品
現在、日展を中心に活躍している櫻井慶治氏(1919- )は佐倉市出身の洋画家です。平成16年には佐倉市市制50周年記念事業として、「櫻井慶治展」が開かれました。今回は、同展を機会に寄贈された作品を紹介します。