墨跡とは僧侶、特に禅宗僧侶たちが墨で記した書のことを言います。
近代以来の長い歴史をもつ細川家には貴重な墨跡が数多く遺っています。代々禅宗に帰依していたことに加え、二代細川三斎(忠興、1563~1645)が茶の湯を愛したことが細川家の墨跡趣味に拍車をかけていると言えるでしょう。また一方で近代に入ってからは、十六代細川護立(1883から1970)が白隠と仙厓の一大コレクションを築いています。
この展覧会では、そうした歴史的に貴重な作品はもとより、その記された意義、墨の魅力、禅僧たちの洒脱な絵画に付された画賛など、硬軟織り交ぜた墨跡の世界をお楽しみいただきます。展示点数約50点。会期中の展示替えはありません。