1994年に始まったVOCA(ヴォーカ)展は今回で13回目を迎えます。VOCA展は全国の美術館学芸員、ジャーナリスト、研究者などから推薦された40歳以下の作家に対して平面作品の出品を依頼するという方式により、これまで数多くのすぐれた作家を紹介してきました。 それと同時に、「平面作品」という枠組みをとおして、その時代の美術家の意識をヴィヴィッドに映し出してきたといえるでしょう。
10年以上の歴史を経て、VOCA展の傾向も明らかに変化しています。すでに出品作家の大半が70年代、80年代生まれの新しい世代となり、出品作には映像やデジタル・イメージの浸透、具象への自由なアプローチ、より繊細で洗練された表現への移行などが見られます。
今年の展覧会には37作家が出品します。このなかから6名の選考委員によりVOCA賞1名、奨励賞2名、佳作賞2名が選ばれました。また、大原美術館賞と府中市美術館賞がそれぞれ1名の作家に贈られました。
若い作家たちが絵画や平面作品にどのような問題意識をもって臨んでいるのか。「VOCA展2006」では、作家それぞれの個性的なヴィジョンや新鮮な創意を見ることができるでしょう。